こんにちは!
デザイナーの伊東(@ALAKIWebVRAR1)です。
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突然ですが、iPhoneユーザーの皆さん、
iOS12へのアップデートはもうお済みでしょうか?
新しくリリースされるiOS12がARkit2を搭載しているという情報が9月に流れ、
私も普段使っているiPhoneをバージョンアップして早速試してみました。
今日はARkit2を利用してどんなことができるのか、
その中でも特にWebAR機能について掘り下げてご紹介しようと思います。
ARkit2の機能
それでは早速、ARkit2になってできるようになったことをご紹介します。
AR体験の保存
ARアプリを開き、3Dオブジェクトを現実世界に配置、その後アプリを終了させても、配置した場所を記憶させることができるようになりました。
この機能により、AR空間で何か作業をしても、毎回アプリを起動するたびにリセットされるということが無くなります。
この機能、”パーシステントAR”と言われたりもします。
日本語でいうと”持続的AR”といったところです。
立体の検出(3Dトラッキング)
今までは平面の認識に止まっていましたが、立体のトラッキングが可能になりました。
これにより、様々な形のモノの上にオブジェクトを配置しても、
より正確なサイズ、向きで表示されます。
また、対象物が動いていてもトラッキング可能とのことです。
AR体験の共有
ついにAR体験を複数人で共有できるようになりました。
“シェアードエクスペリエンス(共有エクスペリエンス)”と呼ばれるこの技術は、
デバイスのカメラを通して現実世界のオブジェクトをトラッキングして仮想空間を作り、
その空間そのものを他のユーザーと共有することで実現します。
ポイントは、表示させたオブジェクトだけを共有させるのではなく、
トラッキングした周りの環境そのものを共有しているという点です。
そうすることで、共有した他のユーザーは3Dオブジェクトを見るだけでなく
編集することも可能になります。
USDZファイル対応とクイックルック
今回の記事のメインの内容です。
以前にもマーカーを使用したWebARの実装方法をご紹介してきました。
新しく策定された”USDZ”という規格と”クイックルック”を利用すると、
簡単にマーカーレスARをブラウザから体験することができます。
クイックルックによるWebARの実装方法
動画形式の変換
それでは実際にクイックルックを利用するための方法を解説していきます。
まずは、先ほど紹介したUSDZファイルを作成しましょう。
どんな形式でも構いませんので、3Dデータをご用意ください。
その3DデータをUSDZに変換するのですが、方法が色々あります。
Xcodeのタイムラインにコマンドを入力して変換する方法もあるのですが、
一番簡単なオンラインサービスを利用する方法をご紹介します。
今回使うのは「VECTARY」というツールです。
オンライン上で利用できる3Dオブジェクト作成ツールのVECTARYですが、
3Dデータの形式を変換することもできます。
それでは3Dデータをアップロードしましょう。
単純にドラックアンドドロップするだけでアップロードできます。
試しにstlファイルを使用しました。
右側の”Export”をクリックし、”3DFile”を選択します。
その下に様々なデータの種類が選べますので、”USDZ”を選択します。
これでUSDZファイルの用意ができました!
Webサイトへの埋め込み
出来上がったUSDZファイルをWebサイトに埋め込む方法はいくつかあります。
複雑な方法も試しましたが、一番最新の簡単な方法は以下の通りです。
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<div class="gallery"> <div class="gallery-item"> <a rel="ar" href="/assets/images/alakirobot.usdz"><img src="/assets/images/alakirobot.png"></a> </div> </div> |
ものすごく簡単ですね!
rel属性でAR用のリンクであることを宣言し、リンク先をUSDZファイルに、静止画をサムネイルとして指定します。
クイックルックを試してみる
これで準備は完了です。
サーバーにアップして、iOS12がインストールされたブラウザで確認してみてください。
右上に立方体のアイコンが表示されました。
タップすると。。
3Dオブジェクトを360度確認できる画面に遷移しました!
この画面が”クイックルック”と呼ばれる機能です。
この画面の”AR”というタブを選択してください。
スムーズに表示されました!
きちんと床の面を認識して、リアルに配置されています。
サイズ、向きの調整も可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ARkit2で何ができるか、いかに簡単にマーカーレスWebARを体験できるか、
少しでもわかっていただけたのではないでしょうか。
USDZファイルに関しては、今はまだiOS独自の規格です。
ですが、今後デバイスやOSの壁を乗り越えて広く普及していけば、
もっと手軽に、アプリを介さずにARを体験できる世の中になるはずです。
ARがより多くの人に利益をもたらすことを夢見て、
地道にコツコツと開発に取り組んでいきたいと思います。