【書籍要約】数学的な仕事術大全
こんにちは!
ALAKI株式会社でWebデザイナー・XRクリエイターをしている伊東です。
自分と同じような課題に立ち向かっている人に、
学んだことをお裾分けできればと思い、
書籍の要約を記事にしてお届けしています。
今日は、「ロジカルに仕事するために」というテーマで、書籍「数学的な仕事術大全」の要約をしていきます。
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あなたのスキルアップに少しでもお力添えできれば幸いです!
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成果を出している人は、「数学的な仕事の仕方」をしている
仕事で成果を出すためのスキルを身につけ、その結果として人生が豊かになる。
そのためには、「基礎スキル = ビジネススキル」を身につける必要があります。
基礎スキルを持っていない状態で仕事をした結果、以下のような状況に陥ってしまいます。
- 「数字」が読めない、「数字」を根拠に話ができない
- 「何が言いたいのかわからない」と言われてしまう
- 「手段」と「目的」が混同してしまう
「ビジネススキル」とは、これから先どんな仕事をすることになっても成果を出すために必要なスキルです。
そして、どんな仕事でも成果を出している人は、必ず数学的な仕事の仕方をしています。
「数学的な仕事」を身につけて、それを「考える」「読む」「書く」「話す」などの行為に結びつける方法をまとめました。
「数学的思考」とは何か
仕事における「数学的思考」というものは、平たくいうと「数学のように考えること」を指します。
「数学のように考える」について深掘りするために、「数学」というものを因数分解してみます。
「数学」というものは、「数字」と「論理」によって構成されます。
「数字」を使う
「数字」は、「数(量)」を「相手に伝わるように表現したもの」のことです。
仕事において「数字」を使うことで、相手により正確に情報を伝えることができます。
簡単な例を見てみましょう。
A「社長、少しお時間いただいてもいいでしょうか?」
B「社長、5分ほどお時間いただいてもいいでしょうか?」
Bの方が、具体的な時間を示しているため、社長も予定を立てやすくなります。
このように、「数字」を使うことで、相手により正確に情報を伝えることができるのです。
「数学コトバ」を使う
次は「論理」についてです。
数学では、論理的に解を導くために、「接続詞」が頻繁に使われます。
ここでは、その接続詞のことを「数学コトバ」と呼ぶことにします。
例えば以下のような「数学コトバ」があります。
- なぜなら:理由を述べる
- ゆえに:理由から結果を述べる
- 次に:論理を進める
- 以上より:最後に結論でしめる
「数学コトバ」は仕事上においても、相手に伝えたい内容をいかに伝わりやすくするかを考えた時にとても役立ちます。
ミーティングで自分の意見を述べる時や、進捗報告の場などで、これらの「数学コトバ」を意識的に使用することで、論理的な展開や結論の導き方が明確になります。
「数字」と「数学コトバ」を使って何をするか
結論からいうと、以下の項目が、【「数字」と「数学コトバ」を使って何をするか】の答えになります。
-
定義する
-
分解する
-
比較する
-
構造化する
定義 〜最初にすること〜
「定義する」ということは、「成果」から逆算して、仕事の目的を明確化することです。
「定義」ができていないと、目的が不明確になり、議論が脱線しやすく、時間の無駄遣いや成果の評価が困難になるなど、ミーティングの効率と有効性が著しく低下してしまいます。
例えば、社内でミーティングをする際のことを考えてみましょう。
「このミーティングは、意思決定を目的にした場である」
「このミーティングは、情報共有を目的にした場である」
「このミーティングは、アイディア出しを目的にした場である」
「そのミーティングは何を達成したら成果を出すことにつながるのか」を「定義」して、ミーティングの参加者全員が同じ共通認識を持つことが大切です。
あなたがファシリテーターであれば定義を言語化してメンバーに伝え、 あなたが参加者であれば、定義が明確になっていないミーティングがあれば、自ら確認しましょう。
分解・比較 〜分析するために必要なこと〜
課題を「定義」した後、問題解決に進むためには、現状を正確に理解する必要があります。
そのためには、現在の問題がある状態の「分析」行います。
例えば、Webサービスの「新規登録者数」を上げるための施策を考えるとしましょう。
「新規登録」というユーザーのアクションは、「時系列」ごとにみていくことで行動を「分解」することができます。
「新規登録 ← ランディングページ閲覧 ← 広告クリック ← 広告表示」
さらに各行動ごとに、ユーザーの「年齢層」、「デバイス」ごとに「分解」することができます。
新規登録
10代
スマートフォン
タブレット
PC
20代
スマートフォン
タブレット
PC
30代
…
ランディングページ閲覧
…
広告クリック
…
そこから、各要素を「比較」していきます。
「20代のスマートフォンからの新規登録数が先月に比べ100人マイナスになっている。」
「そのうち、ランディングページ閲覧数は先月に比べ50人プラスだが、実際の登録数は150人マイナスになっている」
このように「分解」と「比較」を繰り返すことで、「分析」を進めていきます。
「比較」することで特異点に気づき、さらに「分解」していくことで、課題の原因がより詳細につかめてきます。
「事実」と「仮定」を明確に分ける
分析を行う際には、「事実」と「仮定」を明確に区別することが重要です。
事実は客観的なデータや観察に基づくものであり、仮定は推測や予測に基づくものです。
この区別を意識することで、より正確な分析と効果的な解決策の立案が可能になります。
例えば、「20代のスマートフォンからの新規登録数が100人減少した」というのは「事実」ですが、
「20代のユーザーがサービスに興味を失っている」というのは「仮定」です。
コミュニケーションの場で「仮定」の言葉が出てきた時には、その根拠となる数字を確認することが必要です。
予測できない数字に「仮定」を使う
Webサービスの分析において、完全に正確な数字を得ることが難しい場合があります。
そのような状況で役立つのが「フェルミ推定」です。
これは、利用可能な情報から合理的な仮定を立て、概算を行う方法です。
例えば、新しい機能を追加した際の潜在的な新規登録者数を推定する必要がある場合を考えてみましょう。
-
まず、対象となる潜在的なユーザー数を考えます(例:そのサービスの対象となる年齢層の人口が約1000万人)
-
その中でサービスを知る可能性がある人の割合を仮定します(例:広告到達率を20%と仮定)
-
さらに、広告を見た人のうち、興味を持つ可能性がある人の割合を推測します(例:5%と仮定)
-
最後に、興味を持った人のうち実際に登録する可能性がある人の割合を推測します(例:10%と仮定)
これらの仮定を用いて計算すると:
1000万 × 20% × 5% × 10% = 10,000人
このように、フェルミ推定を使うことで、完全な情報がない状況でも、合理的な仮定に基づいて概算を行うことができます。
この例では、新機能追加による潜在的な新規登録者数は約10,000人と推定されました。
ただし、これはあくまで推定であり、実際の数字とは異なる可能性があることを常に念頭に置く必要があります。
重要なのは、このような推定を行う際に用いた仮定を明確にし、必要に応じて修正できるようにすることです。
例えば、類似サービスの実績や過去の機能追加時のデータなどを考慮して、各段階の仮定を調整することで、より正確な推定に近づけることができます。
このようなフェルミ推定を活用することで、新機能の開発に関する意思決定や、必要なサーバー容量の準備、マーケティング戦略の立案などに役立てることができます。
構造化 〜関連性を理解すること〜
先ほどの「分析(分解・比較)」を実施するだけでは、課題の「解決策」は見えてきません。
そこで、「構造化」が重要になってきます。
「構造化」とは、「分解」した要素同士の関係性を明らかにすることです。
例として、Webサービスの新規登録者数の改善について見ていきましょう。
「分析」で得られた情報を基に、以下のように要素間の関係性を明らかにします。
-
「広告クリック数」が「ランディングページ閲覧数」に影響を与える
-
「ランディングページ閲覧数」が「登録フォーム開始数」に影響を与える
-
「登録フォーム開始数」が「新規登録完了数」に影響を与える
-
「スマートフォンユーザー」の各段階の数字は、「モバイル向け」の「新規登録数」に影響を与える
-
「PCユーザー」の各段階の数字は、「デスクトップ向け」の「新規登録数」に影響を与える
-
「無料プラン」は、コスト意識の高いユーザーに選ばれやすい
-
「有料プラン」は、サービスの充実度を重視するユーザーに選ばれやすい
「構造」を捉えて「分析」した結果を見ることで、はじめて検討すべき「解決策」が見えてきます。
例えば、ランディングページの改善、登録フォームの簡素化、ユーザーセグメント別のマーケティング戦略の立案などが考えられます。
「構造化」のフェーズを飛ばしてしまうと、いきなり的外れな仮説(例:無条件にすべての広告予算を増やす)を立ててしまうことに繋がり、成果の出ないことに無駄な労力を割くことになります。
「構造化」は「わける」と「つなぐ」
「構造化」は、情報を整理し、関連性を明確にするプロセスです。
これは「わける」と「つなぐ」という二つの主要な作業から成り立ちます。
「わける」とは、すでに説明した「分解」のプロセスを指します。これは複雑な情報や問題を、より小さく、扱いやすい要素に分類することを意味します。
一方、「つなぐ」とは、分解された要素間の関係性を明らかにすることです。この「つなぐ」作業は、すでに説明した「数学コトバ(=接続詞)」を用いて考えるとより理解しやすくなります。
例えば:
-
「AならばB」:因果関係を示す
-
「AかつB」:複数の条件が同時に成立する関係
-
「AまたはB」:選択肢や代替案を示す関係
これらの「数学コトバ」を用いることで、要素間の関係をより明確に、論理的に表現することができます。
「わける」と「つなぐ」を適切に組み合わせることで、複雑な問題や状況をより理解しやすい形に整理し、効果的な解決策を見出すことが可能になります。
「構造化」の応用:文章を読む
「わける」と「つなぐ」のスキルは、文章を理解する際にも非常に有効です。
構造化して読むことで、文章の理解度が上がり、読解のスピードも向上します。
例えば、長いメールを読む時に、この方法を活用することができます。
メールの内容を以下のように構造化して読みます。
-
主題(メールの目的)を特定する
-
ポイント間の関連性を「つなぐ」(因果関係、時系列など)
-
重要な情報と補足的な情報を「わける」
このように読むことで、メールの全体像を素早く把握し、必要な情報を効率的に抽出することができます。
また、スキルアップのために本を読む際にも、この方法は非常に効果的です。
-
章や節ごとに内容を「わける」
-
各部分の要点を抽出する
-
要点間の関連性を「つなぐ」
-
著者の主張と根拠を区別する
-
新しい概念と既知の情報を「わける」
このように構造化して読むことで、本の内容をより深く理解することができます。
さらに、この方法を習慣化することで、読書のスピードも上がり、より多くの知識を短時間で吸収することが可能になります。
「構造化」の応用:書く・話す
「構造化」のスキルは、書く・話す際にも非常に有効です。
文章を書く時や、プレゼンテーションを行う際に、以下のような方法で構造化を活用できます。
-
主題を明確にし、それを支える要点を「わける」
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各要点間の関連性を「つなぐ」ことで、論理的な流れを作る
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重要な情報と補足的な情報を「わける」ことで、メッセージの優先順位を明確にする
「構造化を使って書く」 × 「生成AI」
ChatGPTなどの生成AIの発展により、「書く」プロセスにおいて構造化された文章作成を大きく効率化することができます。
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アウトラインの作成:「主題」と要点を生成AIに提示し、構造化されたアウトラインを生成させる
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内容の拡張:各要点について、生成AIに詳細な説明や例を要求し、内容を充実させる
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論理の検証:生成AIに文章の論理構造をチェックさせ、矛盾点や改善点を指摘してもらう
ただし、生成AIはあくまでツールであり、最終的な判断や編集は人間が行う必要があります。生成AIの出力を鵜呑みにせず、常に批判的思考を持って内容を精査し、意図に沿った文章に仕上げることが重要です。