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XRクリエイターの伊東(@ALAKIWebVRAR1)です。
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今回は、2022年11月発売の新書「世界と私のA to Z」という本の所感を通して、頭に入れておくべき「Z世代的価値観」についてまとめました。
世界でサービスを展開する上で、「プロモーション」や「ユーザー体験設計」のヒントになれば幸いです。
書籍・著者について
著者は、1997年カリフォルニア生まれ・在住の竹田ダニエル氏です。
大手レーベルのビジネスコンサルタントやテック系スタートアップを経てフリーランス音楽エージェントとして活動し、日本とアメリカのアーティストPRやマネジメント・音楽メディアライター・SNSコンサルタント・AWA公式キュレーター・日英通訳と翻訳などを担当している
「現代ビジネス」より引用
著者のSNSやその他メディアでの発信が文芸誌「群像」の目にとまり、連載が始まり、その内容をまとめたものが本書の内容になっています。
自身もZ世代である著者が、アメリカで生活するなかで感じる「Z世代的価値観」についてリアルに書かれており、学びになりました。
Z世代の定義と時代背景
書籍の内容について詳しく見ていく前に、Z世代というワードの定義と時代背景について触れておきます。
一般的にZ世代とは、1990年代中ごろから2000年代に生まれた世代のことを指します。
1946年〜1964年に生まれた世代をブーマー世代(ベビーブーマー世代)、
1965年〜1979年(あるいは1980年)に生まれた世代をX世代、
1981年〜1994年(あるいは1996年)に生まれた世代をミレニアル世代(Y世代)という名称が、Z世代以前に存在しています。
本書で強調されていたのは、「Z世代的価値観」とは単純に世代で区切った集合体のステレオタイプではなく、世代を超えて「選択可能」な価値観であるということです。
その上で、時代背景的にZ世代に生まれた人たちが、時代背景的にZ世代価値観を持ちやすいということが書かれています。
時代背景として真っ先に挙げられるのが、SNSや電子機器などの最先端テクノロジーを使いこなす「デジタルネイティブ世代」であるということです。自分が当事者ではなくてもあらゆる情報にアクセス可能で、感じ取ったことや日常を世界に向けて発信し、物理的な制約を取っ払って様々なコミュニティとつながることができます。
またZ世代は、現実の深刻な社会問題に直面する世代でもあります。
環境問題や経済不安、頻発する銃乱射事件や新型コロナウイルスなどのさまざまな問題が巻き起こり、それらの情報をネットからも浴び、絶望感や諦めと、やり場を探すエネルギーが入り混ざっているような印象を受けました。
Z世代的価値観
本書では、「セルフケア・セルフラブ」「人種問題」「仕事」「ファッション」「恋愛」などあらゆる軸からZ世代的な価値観についての考察が書かれていました。
その中でも、サービスを海外のZ世代に向けて提供する際のを考える上で重要な点を、「ストーリー」「リアル」という2つの言葉を軸に見ていきます。
「ストーリー」を重視する価値観
Z世代的価値観を持った人たちは、コンテンツの表面的な良し悪しだけではなく、そのコンテンツの「ストーリー」を知った上で判断するということを改めて学びました。
かつてはマスメディアが流行や理想像を作り出していましたが、様々な立場の人から発信される情報から自分の価値観に合うものを取捨選択することが当たり前になってきています。
価値観に合うかどうは、コンテンツやその発信者がどんな歴史を持っているか、どんな文化にリスペクトしているのかが1つの判断基準となります。
アメリカにおいてZ世代は最も人種の多様性があるとわれ、自身のルーツに関係するものに対して強い共感を覚えるそうです。
さらに、コンテンツ提供側の「社会問題に対するスタンス」を重視する傾向が強くなっていることも挙げられていました。
生まれながらに様々な社会問題にさらされてきたZ世代にとって、それらの問題に対して少しでもポジティブな要因を感じられるものを選択したいという思考が強く働きます。
それらの判断基準をもとに、自分の中の世界観と合うストーリーを持つ「ファッション」「音楽」「体験」をピックアップしてSNSで発信しする様子に、本書では「自分自身をキュレーションする」という表現を使っていました。
そのような思考でものを買ったり発言したりする同世代の姿をインターネットから学び、自分達もその姿に習って行動することが「イケてる」とされる風潮があり、反対に、社会問題を軽視する企業やアーティストに同調することに対しては、「Cheugy(ダサいという意味のスラング)」という感覚があるようです。
サービスを提供する上では、企業の世界観とサービスのコンセプトがマッチしていて、さらにストーリーとしてしっかり発信することが重要だと思います。
しかし、社会問題に対する姿勢を重視するあまり、本質的なサービスの価値提供をおろそかにしてしまうことだけは、サービス提供側として絶対にあってはならないと感じました。
「リアル」を重視する価値観
日本でも「インスタ映え」という言葉が流行したように、SNSの登場と共に自分をよりよく見せようという流れがありました。
それに倣って企業のマーケティングも、過激によく見せるための施策が主流になっていきました。
対してZ世代的価値観では、メディアでのありのままの著名人の姿に好意を持ったり、自身も加工しない写真をSNSにアップしたりするなど、リアルを尊重する傾向にあるといいます。
その背景には、ミレニアル世代以前の世代が理想を求めて過度なダイエットをしたり、寝る間を惜しんで自己啓発本を読み漁ったりする反動で、心身ともに健康を損なうことが社会問題になったことがあると著者はいいます。
さらに、リアルを重視するのはインターネット上にとどまらず、ライブ体験のようなフィジカルな体験にも影響しています。
コロナの影響によって人との物理的な繋がりや一体感が失われた先に、もっと本質的な体験をしたいというブームが生まれていて、その結果としてZ世代は他の世代よりもライブ体験にお金を使う世代であることがわかっています。
このリアルを重視する価値観に刺さり、ここ最近で人気を拡大している「Be Real」というサービスをご紹介します。
2020年にフランスでリリースされたサービスで、2022年に入ってから欧米のZ世代の間でダウンロード数が一気に増えてきているようです。
「Be Real」という名前の通り、加工されていないリアルな投稿を通してユーザーがコミュニケーションを取るSNSなのですが、その仕組みがユニークです。
ユーザには1日1回、ランダムな時間に通知が届きます。1〜2分という短い間にその場で写真を撮って投稿することが求められ、写真を加工する機能は一切ありません。
写真の準備ができたら、基本的には自分が繋がっている友達の間でのみ投稿が共有されます。友達にも同じタイミングで通知がいくので、同時刻に友達の今の様子を交換し合う感覚です。
他のSNS同様その投稿にリアクションを取れるのですが、無機質ないいねマークではなく顔写真でリアクションを取り合います。
インターネット上なのに、リアルな写真を、同時刻にやり取りし合うライブ体験がまさにZ世代的価値観にハマったと言えます。
最後に
今回学んだことをサービスの打ち出し方や体験の細部に生かしつつも、自分達の世界観をブレずに貫くこともそれ以上に大切だと感じました。
時代は変わっても根本的なものは変わらないと思うので、軸を持った状態で風潮の変化に合わせて柔軟に対応することを実践していきたいです。
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